財団の歴史

日本法制学会の戦前の活動(創設~1950年代)

~法律知識の普及一般化を目的とした講義録による教育研修が、大きな成果を挙げる~

(1)学会の創立

公益財団法人日本法制学会は、大正2年(1913)3月に日本大学法制学会の名称で、石渡敏一(初代会長)、山岡萬之助(後、日本大学総長)、澤野民治らによって創立されました。当会の目的は、平易な文章による通信教育によって大衆への法律知識の普及一般化をはかり、文化国家の建設に寄与することにありました。法律知識を多くの人に広めるために、大正2年(1913)3月に、言文一致、つまり口語体で書かれた講義録、「普通文官養成講義録」を発行したのが、最初の活動でした。


(2)学会の発展

その後、当会は法律の研究を進めると共に、通信教育事業として普通文官試験・裁判所書記登用試験を中心とする「講義録」を次々と刊行し会員を募集、向学心に燃える前途有為の青少年の育成並びに官公吏の養成に務めました。
また、一般国民の知識啓発を計るため、機関誌「法制」を大正3年(1914)9月に創刊し、受講者その他に配布しました。大正10年(1921)4月には、勝田主計(元大蔵大臣)が2代会長に就任、昭和元年(1926)に名称を「日本通信大学法制学会」と正式に改称しました。
昭和3年(1928)9月に澤野民治が3代会長に就任、講義録受講者は昭和元年の時点で総数3万人を数えるに至りました。その内訳は、日本15,000人、中国7,000人、韓国5,000人、台湾3,000人です。この事業は戦争による休止にいたる昭和19年まで継続され、受講者総数は実に100万人を数えるに至りました。この間に、普通文官試験、裁判所書記試験の合格者を受講者の中から多数輩出し、全合格者の40~60%を占めていました。また、高等文官試験、裁判官試験、弁護士試験にも多数の合格者を出しています。


(3)特待生・奨学金制度の設立

向学心に燃えながら、家庭の事情で学費の賄えない優良な青年に対しては、その実情を調査のうえ「特待生」として学費の一部または全部を免除しました。また、登用試験合格者の中で家庭の事情等で上級学校に進学できない向学心に燃える者には、奨学資金を授与しその育成に務めました。さらに法律思想昂揚のため、研究課題を発表して一般国民の関心を喚起し、優秀な者には奨励の意味で奨学金を授与しました。


(4)無料法律相談所の設置

大正12年(1923)学会創立10周年を記念して、当会から試験に合格した在京弁護士をもって「無料法律相談所」を開設し、不遇に泣く世の弱者の保護救済に当り、法律問題、人事問題の相談に応じるなど、社会救済事業に尽力しました。


(5)法制研究会の開設

当会の目的達成を図るため、全国に散在する会友中の有識者及び最寄りの在住者を指導者として委嘱し、法律知識の普及徹底を期する機関として、各地方に「法制同志会」を設置させ、この同志会を中心として、「講演会」「講習会」を開催し、また、その研究結果を出版物にまとめて発表、国民法知識の向上に務めました。

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日本法制学会の戦後の活動(1950年代~1995年現在)

~財団法人の設立、学術振興事業・公務員養成講座事業が発展~

(1)財団法人の設立

昭和26年(1951)8月27日、日本通信大学法制学会は機構を改め、財団法人日本法制学会として発足しました(理事長澤野裕治)。会は戦前以来の伝統を受け継ぎ、法律知識の普及一般化、社会文化の向上発展に寄与することを目的としました。


(2)公務員養成講座の開催

通信教育によって、国家事務に従事する国家公務員、及び公務員を志す者を対象に法律知識の向上、ならびに一般学識、教養、職務能力の涵養を図りました。また、政治、産業、文化教育などの面において有能練達の士を育成するために講座を開き、「法律経済学科」及び「管理学科」は新制大学程度、「教養学科」は新制高校程度として開催しました。


(3)東京都及び区職員の幹部養成講座開催

東京都及び区職員を対象に、吏員昇任試験講座、さらに、主任・管理職試験受験講座を年数回開催しました。


(4)奨学金、海外派遣事業

中国人留学生に専門知識の勉学、研究等を修得せしめ、日中友好親善を計ることを目的にして奨学資金を授与しました。海外派遣事業では、法律、行政の研究を目的とした青年の派遣を行い、アメリカ、イギリス、ドイツ等の大学に派遣しました。

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財団法人日本法制学会による社会貢献活動(1995年~2012年3月)

~100年の歴史に培われた経験が災害ボランティア育成・防災教育・防災訓練による社会貢献につながる~

(1)「災害救援ボランティア推進委員会」設立、取り組みは東日本大震災支援に結実

1995年1月に起きた兵庫県南部地震による阪神・淡路大震災で多くのボランティアが活躍しましたが、一方で安全・衛生管理、被災者対応等の経験不足からボランティア自身が被災地の負担となることがありました。そこで、当時内閣官房副長官であった石原信雄(現会長)が「災害ボランティアを平時から育成する仕組みが必要」として同年7月に設立されたのが「災害救援ボランティア推進委員会」です。
日本法制学会はこれまでの歴史で学術研究・養成講座に豊富な経験があることから、学会社会貢献部内において災害救援ボランティア推進委員会の事務局を担い、多くの災害ボランティアリーダー(「セーフティリーダー」と呼称)を育成、その取り組みは各方面から高く評価され、防災まちづくり大賞総務大臣賞、防災功労者内閣総理大臣表彰等を受賞しています。
この取り組みは2011年3月に発生した東日本大震災の支援活動に結実し、多くの災害ボランティアが被災地支援活動に参加、復旧復興の一助となりました。また、災害救援ボランティア推進委員会はボランティアの安全衛生普及啓発に尽力し、被災地での安全なボランティア活動実施に貢献しました。
一方で首都圏、日本各地で大規模地震発生が懸念される中、セーフティリーダーは地域防災リーダーとしても千葉・神奈川・東京等各地で活躍しています。

【詳しくはこちらをご覧ください】
災害救援ボランティア推進委員会ホームページ


(2)社会貢献活動の発展、防災教育の推進に尽力

2001年からは災害救援ボランティア・地域防災リーダー育成に加え、次に起こり得る首都圏における大規模災害に備えるため学校等における防災教育活動の推進に尽力しました。特に「防災教育チャレンジプラン」に対する協力は大きな成果を挙げ、これまでに多数の防災教育実践を支援、広く国民の防災意識普及啓発に寄与しました。また、2009年からは東京都立高校における防災教育にも協力し、体験学習のプログラムを作成するなど児童生徒の防災力向上に貢献しました。

【詳しくはこちらをご覧ください】
防災教育チャレンジプランホームページ


(3)新たな防災訓練モデル「ShakeOut(シェイクアウト」の提唱と実施に協力

2011年11月、米国カリフォルニア州で生まれた一斉防御行動訓練「ShakeOut」実施を呼びかける「効果的な防災訓練と防災啓発提唱会議」事務局を災害救援ボランティア推進委員会内に置き、千代田区による日本版シェイクアウト訓練の実施に協力しました。
2012年3月9日に行われた日本版シェイクアウト訓練には25,000人以上が参加し、これまでに例がないほどの多くの方が参加した防災訓練となりました。

【詳しくはこちらをご覧ください】
The Great Tokyo ShakeOut~東日本大震災の検証~

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公益財団法人日本法制学会としての活動(2012年4月~現在)

~新法人で防災事業を中核とし、さらなる発展を目指す~

2012年4月、財団法人日本法制学会は「公益財団法人日本法制学会」として再編されました。
これに伴い、社会貢献部内で実施してきた防災関連事業をとりまとめ、「防災事業」として会の主要な事業に位置付けました。
今後も学術振興事業・防災事業(災害ボランティア育成・防災教育・防災訓練)により、広く社会に貢献する団体としてさらなる発展を目指して活動します。


その他

歴代会長

現会長 石原 信雄 元内閣官房副長官
五代会長 岩佐 凱実 元富士銀行頭取・会長、経済同友会代表幹事
四代会長 三浦 寅之助 元衆議院議員、元横浜弁護士会長
三代会長 澤野 民治 元大蔵大臣秘書官
二代会長 勝田 主計 元大蔵大臣、元文部大臣
初代会長 石渡 義一 元日本大学理事、元内閣書記官長